全く期待しないで見た映画だったのですが、良い意味で期待を裏切られました。
単なるタイムトラベルものでもないし、恋愛コメディ映画のくくりにするのももったいない、素晴らしいヒューマンドラマです。
日本では公開直前のようなので、なるべくネタバレに気をつけて感想を書きたいと思います。
あらすじ:(Amazon
USの説明を適当翻訳しました)
いつも通りの残念なニューイヤーパーティの後、ティム(Domhnall Gleeson)の父(Bill
Nighy)は息子に自分達の家系の男性達はタイムトラベルする能力があることを明かす。歴史を変えることはできないが、彼自身の人生で起こることや起こったことを変えることができるという。そこで、ティムは彼自身の世界をより良いものにすることに決める・・・彼女(Rachel
McAdams)を作ることによって。しかし、普通でない人生を過ごすにつれ、ティムは自分の変わった才能をもってしても、悲しみや家族に影響を与える出来事たちから自分を救うことはできないことに気づく。フィルムメーカーのRichard
Curtisがお贈りするAbout Timeは愛とタイムトラベルについてのコメディであるが、最後にはタイムトラベルが全く必要でないことがわかってくる。
ティムの彼女役Rachel McAdamsは「タイムトラベラーズ・ワイフ きみがぼくを見つけた日」で、タイムトラベルをテーマにした映画に出ていたので、この映画を見た後、なぜかタイムトラベルと言えばRachelというイメージがついてしまった。
相変わらずとてもチャーミングで、この映画に華を添えています。
ティム役のDomhnall
Gleesonは、Bill Weasley役で出てたそうです。・・・申し訳ないですが、全然印象に残っていない・・・けど、この映画では情けない感じの冴えない青年が成長していく姿を好演。
そして、脇役とはいえ、私にとってこの映画で主役級の輝きを放っていたのが、お父さん役のBill Nighy。
この方もHarry Potterに出ていたようですが、全く覚えてない・・・何役だったのか調べたらMinister
Rufus Scrimgeourだそうで。あまりにも今回の映画と印象が違うのでわかりませんでした。
(Rufus Scrimgeour)
(お父さん)
この映画では物静かながら愛情あふれるお父さん役を演じており、深い印象を残しました。
タイムトラベルができたら何しよう?という妄想は誰もが一度はすると思いますが、大体は「お金儲け」とかを考えがちですよね。(そんな卑しいことを考えるのは私だけ?)
面白いのが、この映画の主人公のティムとそのお父さんは二人ともタイムトラベルができるのですが、二人とも全くお金もうけには力を使わないのです。お父さんに至ってはこの力を読書する時間にあてるというなんとも無欲っぷり。
その息子ティムも、自分の能力を知った時に「僕は彼女がほしい」と言い出して、無欲なお父さんを更にびっくりさせるほどの謙虚さ(笑)。
タイムトラベル自体は荒唐無稽な設定なのですが、この映画は家族関係や人間関係に焦点を当てているため、登場人物にすごく感情移入することができます。
私は最後の方で(詳しく書くとネタバレになってしまうのですが・・・)ティムとお父さんが二人でティムの子供時代にタイムトリップし、遊びに行く場面で大号泣。
これほど胸にズーンと響くシーンを映画で見たのは久しぶり、と言うほどの名シーンでした。
映画の宣伝にはティムとその彼女を大きく扱って恋愛要素を全面的に出していますが、実はこの映画、家族愛がテーマではないかと思うのです。
私が家族と遠く離れて暮らしていて、家族が恋しいから見方が偏ってしまっているのは否めないのですが。
最初はティムも自分の力を「彼女を作る」という少年らしい欲のために使うのですが、成長するにつれ「家族のため」に使うようになっていく姿を見て、そこにティムの人生の価値観が見える気がしました。
ティムにとっての「何のためにタイムトラベルをするか」という選択は、タイムトラベルできない私達にとっての「何のために時間を使うか」とイコールです。
限りある時間をどのように、何のために使うかは私達次第であり、それが人生を変えていくんですよね。
0 件のコメント:
コメントを投稿