2016年6月1日水曜日

Interstellar 邦題『インターステラー』


クリストファー・ノーラン監督のInterstellarを見ました。

ネタバレせずに感想を書くのがすごく難しい・・・

 

あらすじ

近未来、地球規模の食糧難と環境変化によって人類の滅亡のカウントダウンが進んでいた。そんな状況で、あるミッションの遂行者に元エンジニアの男が大抜てきされる。そのミッションとは、宇宙で新たに発見された未開地へ旅立つというものだった。地球に残さねばならない家族と人類滅亡の回避、二つの間で葛藤する男。悩み抜いた果てに、彼は家族に帰還を約束し、前人未到の新天地を目指すことを決意して宇宙船へと乗り込む。


 

私自身はSF映画はあまり興味なくで、むしろ苦手な部類だったりします。

スターウォーズ・シリーズも有名な『2001年宇宙の旅』も未見の不届き者です。

最新のSF映画だと、『ゼロ・グラビティ』を見たのですが、重苦しい宇宙の雰囲気に「宇宙には行きたくないなぁ」と思ったものです。

なのでこの映画も最初は見るつもりが無かったのですが、会社の同僚がおススメしていたので興味が湧いてVさんと一緒に見ました。

 

結論から言うと、私の英語力では日本語字幕無しだと内容の70%くらいしか理解できませんでした。

相対性理論の話とか2進法が云々言われても・・・さっぱりです!

単語力の無い私は完全ギブアップ。

見終わった後で、Wikipediaの詳しいストーリー説明を読んで、「あぁ、あれはそういうことだったのか」と理解したぐらい。(Wikipediaのページはネタバレたっぷりなので未見の方は要注意)

あと、このページの図解もかなり理解に役立ちました。

難しい部分は全く理解できずとも、色々な惑星の景色に圧倒されたり、父クーパー(マシュー・マコノヒー)と娘の関係に号泣したりと意外に楽しめました。

あまりにも泣いているので隣のVさんが苦笑するくらい。

 

父が人類を救うために宇宙に旅立つ決意をした時、娘のマーフはたったの10歳で自分や家族を残して行ってしまう父をどうしても許せないんですよね。

クーパーとしては、自分の行動が人類を救う可能性があるだけでなく、もちろん自分の子供たちの未来を救うことになるとわかっているからこその決断だったのでしょう。

自分自身が本来はエンジニアでありながら農業をするしかない状況であることにクーパーは葛藤を感じていたのかもしれないし、しかも、恐らく息子までもが同じ道を歩まざるを得ない。

(映画の前半で息子の先生が

地球環境が子供たちの未来に暗い影を落としていることを感じていたからこそ、それを何とかする手立てがあればという一縷の希望のため、いつ帰って来れるのかわからないミッションを引き受けることにしたのでしょう。

その点、15歳の息子は年齢的なものなのか、男として父の考えにもっと同感できるのか、父の決断を受け入れます。

奥さんは亡くなっていないので、もともと同居していた義理の父に二人の子供を託すことにするのですが、義理の父は「果たせない約束を子供にするな」とクーパーに告げます。

それでも、泣いて止めようとする娘にクーパーは「きっと戻るから」と約束してしまうのです・・・

 

娘との約束を果たしたい一個人としての気持ちと、「人類を救う」という大きなミッションの狭間で、宇宙を旅する間に何度も決断を迫られる度にクーパーは揺れ動きます。

こういう映画を見ると「人類を救う」なんていう大げさなミッションでなくとも、世の中には仕事の為にプライベートを犠牲にして働いている人たちがいっぱいいて、そういう人達は多からず少なからずクーパーのようなジレンマを抱えているんだろうなと考えてしまいます。

警察、消防署、自衛隊の人や、医療現場の人たちが良い例。

仕事だから、というだけではやり遂げられない職業の代表だと思います。

最近、「ライフワークバランス」なんて言葉をよく耳にしますが、上にあげた職業につく人たちは「ライフワークバランス」なんて無きに等しいんじゃないでしょうか・・・

 

話が少しずれましたが、私はSF部分の内容が英語力のせいであまり理解できなかったので、どちらかというとクーパーとその家族を取り巻くヒューマンドラマにフォーカスして見てしまいました。

Vさんによると、この映画の科学公証は映画『ゼロ・グラビティ』よりも正確で、理論物理学者がコンサルタントとして映画作成に参加していたんだそう。

私のような素人からすると、映画を見ている99%は素人で些細な科学的間違いなんて気にもしないんじゃ?と思っちゃうんですが。

Vさんはそういうリアリティを追及する姿勢が大事なんだと言っていましたが、残りの1%の人の為に理論物理学者の貴重な時間を潰すのはどうなんでしょう?

でも、子供たちがこの映画を見て物理学や宇宙に興味を持って、将来偉大な科学者を産む可能性も無きにしも非ず。

そう考えると理論物理学者の時間を使うのも、全くの無駄ではないのかも。

ただ、私たちが見ていた映画館に子供連れが何人かいましたが、途中でリタイアしている人たちも何人かいました。

難しすぎるし、内容がシリアスすぎたんでしょうね。

私でも理解できなかった部分結構あったし・・・(私の場合英語力のせいですけど)

将来科学者を目指す子供たちに是非見て欲しい映画ですが、あまりにも小さい子にはちょっと怖いしつまらなく感じちゃうかも。

私はやっぱり大画面で見る宇宙空間の重苦しさが苦手で、映画を見終わった後は「宇宙には行きたくないなぁ・・・」と再確認。

乗り物酔いも酷いから絶対耐えられないだろうと思うんです・・・

が、Vさんに「誰も君に宇宙に行ってくれなんて頼まないから、そんな心配はいらない」と突っ込まれてしまいました。

その通りでございます。

SF好きの方にはおススメのSF映画であり、ヒューマンドラマとしても秀逸な『インターステラー』。